社交的な奥さんと非社交的な僕

スポーツ観戦

僕は昔から人と話をすることを
苦に思ったことはない

誰とだって問題なく
話をすることはできるんだけど
それがそうでもなかったことが
大人になってわかった

自分で会社を立ち上げて
わけも分からず
異業種の集まりに
参加してた時分があるんだけど
本当に喋らなかった

別段、わざと喋らなかったわけじゃないんだけど
大勢の見知らぬ人たちを
「はじめまして」と名刺を持ち
渡り歩くことに
妙に違和感を感じできなかった

結果、壁際の花になり
一人黙々と料理を食べるか
お酒を飲み、誰かに
話しかけられたら話といった

じゃあ何しに来たのさ
的な感じになっていた

知らない人でも話し出すと
それなりに楽しいし

そもそも起業したてだったので
そんな事を言っている場合でもなかったんだけど
どうしても自らの一歩が出せなかった

なので結局そういった
集まりだったり飲み会は
自然と足が遠のき
まったく参加することはなくなった

そして結婚して
奥さんの実家に行くことが増え
行くとお父さんもお母さんも
快く招いてくれて

食事をしながら
お父さんと一緒にお酒を飲むんだけど
話がまったく続かない

話したくないわけでもないし
嫌なわけでもないが

正月に奥さんの実家に行くと
リビングで僕とお父さんが二人の時は
箱根駅伝のテレビから流れる
中継の声と旋律が流れている

奥さんの実家については
異業種の会とは少し違い
何か話そう話そうと思っていたら
時間だけが過ぎていき
聞かれたことに端的に答えてしまい
特に盛り上がらないといった
負のループに陥ってしまうだけである

本当にもっと上手に
お父さんやお母さんを
笑わせるぐらいの
会話がしたいなと思いながら

もう20年以上経ってしまった

そして時はめぐり
長女次女の部活の試合を奥さんと
見に行くことが増えてきたのだが

そこでも非社交的な自分が
あらわになってしまった

試合会場に行くと当然
娘と同じチームの子の親がいて
その中には熱心な親もいれば
送迎がてら見に来たという人もいる

僕は奥さんと一緒に
スポーツ観戦している感じで
更に子どもがフィールドにいるので
本当に見に行くのが楽しかった

周りの母親は
かなり小型になった
ビデオカメラを持ち撮っていたが

ウチは昔両親にもらった
大きなビデオカメラしか
持ってなかったので

僕が撮る係りも
重いので率先していた

で、気がつくと
奥さんは今日知り合ったような方々と
楽しそうに会話をしていて
もうすでにコミュニティが
なんとなく出来上がっていたのに
びっくりしたことがある

家に帰り
「今日の試合はこうだったねぇ」などと
素人ながらに試合の内容を

奥さんと話するのが
楽しかったんだけど

どんどんその会話の中に
〇〇ちゃんのママや
ペケペケちゃんパパなどが
登場してきて

僕は顔と名前が一致せず
いつもわからずにいた

ちなみに娘たちは
バスケットボールをしていたので

自分の名前では試合中は呼ばず
コートネームで呼ぶ

そしてプライベートになると
お互いの呼び名で言い合う

もう頭が混乱を
繰り返しまくる

Aちゃんのパパは
B(コートネーム)ちゃんのパパだしと
二重にも三重にも
情報が絡み合っていく

ただ、それについては
僕にとって初めての文化だったし
それなりに覚えたいという
衝動もあり楽しかったんだけど

試合を見に行った際に
観客席でどうしても来ている
ママさんパパさんに

自分から話しかけることが出来なかった

結果、奥さんは
ママ友達のようなグループ化し
ワイワイと世間話をしながら
試合観戦を楽しみ
僕は一人ポツンと
娘の試合に没頭していた

それについても奥さんから
よく指摘を受けていたが

結局、娘が引退するまで
僕は治らなかった

自分なりに「なんでだろう」と
考えていたんだけど
答えがわからず

しばらく時間が経ち
ふと思ったことがある

多分、僕は異業種の集まりや
試合観戦している親などに
興味がなかったんだと思う

本当に失礼な話だけど
興味がないから

自ら話しかけ会話を楽しむことまで
そもそもいかなかったのかなと

興味を持ち少しでも
会話をすることで
もっともっと気がつけたことも
多かっただろうに

今思えば
最初は気乗りがしなくても

相手に興味を持って
ゆっくりコミュニケーションを
自ら取りに行けば
きっと楽しかったんだろうと思う

上手にしゃべるとか
ネタが豊富とか
そんなことは関係なくて

今見えている相手に
少しでも興味を持つことが
大切だったんだなと

47歳の遅すぎる気づき

スポーツ観戦

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