豆のない鬼退治

節分

2022年の恵方は
北北西でした

毎年、僕は1度かぶりついたら
口から離さず
ずっとモグモグと
ひたすら食べて食べて完食する

というスタンスを守り続けていた
(そういうもんだと思っていた)

ただ、途中で喉に詰まりそうに
なったりするので
奥さんに昼ごはんとして
用意してくれた恵方巻きを渡され

「今年からはキチンとお吸い物を
飲みながら食べてね」と
念を押された

それもそうだなと思い
今年は北北西を向きながら
恵方巻きを頬張り

ひとくち食べては
お吸い物を飲む
を繰り返し

とても快適に
恵方巻きを完食できた

そして仕事も終わり帰宅し
家族もリビングに揃ってたので

「豆まきする?鬼しようか?」と言うと
次女がニヤニヤしながら
言い出した

「ママ、恵方巻きをスーパーに
買いに行ったのに豆忘れたんだって」と

奥さんは、なんとなく
申し訳無さそうな顔をしながら
てへへっと笑っていた

まぁ気持ちの問題だし
恵方巻きはしっかり家族全員
食べれたしいいんじゃない?と言い

別の話題へと
リビングの中は
変わっていった

その時、ふと
思い出したことがある

そういえば先日
トマトソースのパスタを作るから
トマト缶買ってきてねと言い
トマト缶を忘れて帰ってきたし

小麦粉がもうなくなったと思ってたーと
買ってきて家の在庫が
3つになっていたり・・・

目的にいつもの買い物を
かけ合わせると
どうやら奥さんは忘れがちらしい

身体的に心配しないといけないのかなっと
最初は怖かったけど

自分自身で忘れたことや
経緯を覚えているので単純に
スポットでの買い物は
忘れてしまう傾向にあるみたい

先日も次女がホットケーキミックスを買ってきて!と
お願いし帰ってきた奥さんの手には
買い物袋いっぱいにおでんの具材はあったけど
ホットケーキミックスは無かった

もーまた忘れたの?と
次女にチクチク言われながらも
一緒に代替えで
ホットケーキ作ってみようと
二人でワイワイ言いながら
料理している光景が
僕は嫌いじゃない

人はよくお願いされたことを
されなかったら怒ったり
機嫌が悪くなったりしがちだけど

お願いした側として
お願いを忘れちゃった人と
一緒にリカバリーする案を
考えてやってみるのも
面白いことだと思う

お願いされたんだから
絶対にやれー!は
楽しくないし

人は忘れる生き物
だから創造するし面白い

忘れ物があったことで
今日もリビングの話題が華やかで
少し恥ずかしそうな
奥さんの笑顔が見れた僕は
ラッキーだった

豆は来年まこう

節分

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