今でもたまに
子供の産まれた時のことを思い出す
それは、ふとした時や同じ季節になると
脳裏をよぎりほっこりした気持ちになる
長女が生まれた時は
まだトラックの運転手をしている時で
寒い1月だった
海岸線を走っていたら
雪が降り出して
「あぁ今夜は冷えるな」と
思っていた時に
1本の電話が鳴った
電話は病院からで
元気な女の子が生まれたと言われた
あと一件配達があったので
急いで配達を終え
高速道路をぶっ飛ばして
トラックのまま病院へ行った
雪で視界が
ドンドンと悪くなる中
奥さんに早く会いたい
という気持ちと
なんとも言えない高揚感に
突き動かされて
病院へ向かった
なんとか面会時間
ギリギリに着いた僕は
奥さんの病室に駆け込むと
ほっとした顔の
奥さんが迎えてくれた
その時は奥さんの
両親も帰っており
ゆっくり僕は
奥さんの手を引いて
新生児室へ奥さんと行き
我が子の顔を始めて見た
ガラス越しで
抱きしめることは
出来なかったけど
可愛くて愛おしくて
なにより頑張ってくれた
奥さんへの感謝が
込み上げてきて涙が出た
人生で初めての
経験ということもあり
ただただ新たな生命に
驚き喜んでいたことを
とてもよく覚えている
次女が生まれた時は
長女の時とは少し違って
もうそろそろ生まれますよと
言われていた奥さんが入院している所に
僕は2歳程度の長女と一緒に
見舞いに行っていたが
まだもう少し産まれるまで
時間がかかりそうなので
一旦帰宅して
連絡を待っていてくださいと
看護師さんに言われ
帰宅し長女のおむつを
不慣れな感じで
新しくしてあげてる時に生まれた
だったら、あのまま
病院へいたら良かったのに…
とも思ったけど
出産とはそういうものなのかなっと
慣れない手付きで
長女のおむつを変え
急いで病院へ戻った
そして今回は
奥さんと長女と三人で
病室で対面することができた
初めて見る自分の妹に
どう触っていいのか
迷っている長女が可愛くて
出産直後のぐったりしてるけど
優しさが溢れた顔の奥さんと
そして家族が増えたことを
実感した僕は、また涙が出た
そういえば
長女が生まれた日も
次女が生まれた日も
僕は高熱を出したんだけど
緊張と興奮からなのか
人生でこの2回だけ
不思議な高熱が出た
今ではもう長女は二十歳になり
次女は高校を卒業した
時代は流れていくものだけど
彼女達が
生まれてきてくれた奇跡は
今でも鮮明で
奥さんに怒られている
子どもたちを見ると
成長したんだなっと
微笑ましくもある僕でした
今日、改めて奥さんに
子供を授からせてくれて
ありがとうと伝えよう。