おにぎりしか食べないルール

おにぎり

僕は昔からバイトが
長続きしない人間だった

なんかやってみたいという
思いで始めるバイトだが
しばらく経つとめんどくさくなり
辞めることが多かった

奥さんと出会った頃には
中華料理屋さんで
宅配のバイトをしていたが

雨の日は休むなどと
店主からすると
とんでもないバイトだった

ただ配達するスピードが
妙に早かったので

珍しくお客さんから
「配達はあの子にして」と
逆指名をもらったりしいていて
割と重宝はされていた

でも、そんな考えだと
長くは続かず

結局その良くしてもらっていた
中華料理屋のバイトも
なんとなく辞めてしまった

そんな自分に10代の頃から
将来大丈夫なんだろうか?と

自問自答は繰り返しいていたけど
行動は変わらなかった

就職もしたものの
数回転職をし
自分が何をやりたいのか?
がわからず

でも働かないわけには
いかないというだけで
仕事をしていた

そんな曖昧な仕事が
しばらく続いていたが
そんな僕もとうとう
結婚することになった

でも結婚が決まってから
ずっと妄想することが出来た

それは、こんな気持ちで1日働いて
奥さんのいる家に帰ってくるのか?

それを毎日365日
僕は続けていけるのか?という
不安がどんどんと
大きくなっていった

この人と一緒になるのに
毎日無機質に仕事を終えて
楽しく夕食が食べれるだろうか?
と結婚が決まってから
猛烈に未来が見えなくなっていった

毎日毎日考えて悩んで
結婚前の奥さんには当然相談できず

僕が出した結論は
昔から独立願望はあったので
その独立するためにお金を貯めようと
自分の中で決めた

そして、仕事中にも独立に向けた
勉強ができる業種にしようと決めた

今思うと、就職先にとんでもなく
失礼な考え方だけど
そういう思いで僕は運送会社へ
就職を決め、そして結婚した

運送会社では、たまたま
チャーター便のような
業務に着くことが出来

朝、会社を出たらもう夕方まで
出っぱなしで僕にとって
望んでいた内容だった

早速、お金もなかったので
近くの古本屋さんで
経済の仕組みや
会計などの本を買い
仕事に持っていくようにした

朝出て夕方までに
数箇所荷物を届けるだけだったので

日中ほとんど人と
コミュニケーションを
取らないし

運転中は自分だけの
時間だったので
その経済の仕組みの本を
信号待ちの時にずっと読んでいた

僕の中で人間関係に
ストレスがなく
自分の未来のためになるかは
不明だけど

未来のための勉強が
できるこの環境は理想だった

ただ昼の時間に1回トラックを
止めて弁当を食べる時間を
どうにかならないかなっと悩み

奥さんにおにぎりを
作って欲しいと相談した

奥さんは毎日おにぎりだけだと
バランス悪いよ?と
心配してくれたけど
僕は、おにぎりだけの弁当を
作ってもらうようにした

そして、そんな生活が
4年続いた後に僕は独立した

独立は成功ではないが
この奥さんのおにぎりを食べながら
信号待ちの時に勉強していた本は
気がつくと手垢やシワで
本来の2倍ぐらいの厚みになっていた

自分の中で少しだけ
倍の厚みになった本を見て

自分でも最後まで
頑張れるんじゃないかな?という
自信と独立への後押しと
感じることができた

今でも奥さんの
おにぎりを食べると

あの頃に色々な風景を
見ながらおにぎり片手に
本を読んで
勉強していたことを思い出す

僕にとって
頑張る源のおにぎりです。

おにぎり

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