僕の中で釣りを続けている理由

釣り

昔、仕事で大きく失敗した時に
なんとか命からがら倒産だけは免れて

少しだけお金はないけど
時間という猶予が出て
それでも、しばらくは

自分を奮起させるモチベーションにはなれず
なんとなく日々の仕事をしていた頃がある

本当ならつまずいてるんだから
一生懸命頑張って
しっかりやり直さないと
いけないってのは自分自身が
一番よくわかっているんだけど

なんだか心が追いつかなかった

そんなタイミングで
なぜか「あ、釣りに行こう」と思い
潮を調べ日の出に合わせて
1人で海に行ったことがある

別段、何かが釣りたかったわけでもなく
なんだろう、1人で
居たかったのかもしれない

その日は、とある夏の朝で
誰もいない波止場で
糸を垂らし

プカプカとタバコを吸いながら
ボォーっと釣りをしていた

1時間経っても2時間経っても何も釣れず
足元に小魚は見えるんだけど
僕の竿には何も反応がなかった

その日はそのまま帰って
また次の週末に釣りに出た
すると2匹小ぶりなアジが釣れた

なんだか嬉しくなって
クーラーボックスなど
持ってない僕は

車の中にあったコンビニ袋に
そのアジを入れて持って帰った

家に帰り奥さんに
「見て見て」と言うと
奥さんは嬉しそうに良かったね!
どうやって食べさせてくれるの?と言ってきた

正直、僕は料理が得意ではないので
どうしようかなぁ…と思ったが
とりあえず塩焼きにしてみた

家族四人で食べるには
少なすぎる魚体だったが

なんか子どもたちとの会話も
釣り場であったことを
奥さんと話すのも
その小ぶりのアジも
楽しく美味しかった

それからは
たまに1人で季節も関係なく
釣りに出かけ

釣れたり釣れなかったりを
繰り返している

子どもたちには
「また海に道具を捨てに行くの?」と
冗談交じりにバカにするが

釣って帰るとみんな楽しく
美味しそうに食べてくれる

そんな中、奥さんに釣りに行くなら
釣った人が責任を持って
最後まで処理をするようにしてねと言われた

魚をさばいたり
料理したりは苦手だけど

それからウチでは
釣った人が最後まで責任を持つという
ルールが制定された

あの日、なぜ釣りに出かけたのか
理由は自分でもわからないけど

心が落ち込んでしまっている時は
非日常というか
自然に触れて

非効率なことをして
たまに自然の恵みを受ける

この行動が僕にとっては
大きな心のデトックスだったのかもしれない

それから奥さんに
魚の三枚おろしなども教えてもらって
今ではしっかりさばけるようになったし

今度は何の料理を作ってあげようか
など多少のレシピも増えた

また一つ、奥さんや家族と
楽しめる内容が増えたし
気がついたら辛いことなんて
忘れてて楽しいことが増えていた

人生一度だし

何がキッカケで
楽しみを見つけれるかは
わからないけど

自然と触れて
ボォーっとして
家族で共有することは

とても僕的にはオススメな
心のデトックス法でした

釣り

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