定例にしてはいけないお土産

文房具

もう10年以上前ぐらいの話になるが
仕事の拡大化の為に
毎月出張に出かけるようになった

最初は2日、3日
しだいに一週間ぐらい
毎月、家を空けるようになっていった

毎月のことなので
多くの知り合いや学びが

一気に出来て本当に
今思っても有意義だったと思う

ただ出会った数だけ
嫌な思いも多くしたのは
事実だけど

それでも毎月7日間とか10日間
家を空けて得れるものはあった

そして、いつも出張最終日には
デパートやご当地のお店に立ち寄り
奥さんが好きそうなワインや

家族で食べれる
お菓子の詰め合わせ

子どもたちには
キャラクターグッズや
文房具などを
各小袋に分けてもらい
買って帰路についていた

最初のうちは
なんだかサンタクロースになった気分で

家に帰ると子どもたちが
飛びついてきて
僕から渡される
お土産に目を

キラキラさせながら
喜んでくれていた

キャラクターグッズや
キャラクターのついた文豪具は
本当に種類が多いので
毎月買うのも楽しみだったし

毎回、目をキラキラさせて
「パパー」と駆け寄ってくる
子どもたちの笑顔が見たいがために
お土産は欠かさなかった

でも、いつの日からだろう

子どもたちの部屋に
僕が買って帰った
お土産の文房具が
机の周りにあふれていた

出張中の費用として
その当時は奥さんから
「これを使ってね」と
渡されていたお金を
自分なりに
節約して残りのお金で
お土産を買っていたので
家族が喜んでくれていると
自分でも思ってやっていた
行動だったけど

お土産は慣れるような
もんじゃないんだなと

子供の机に、まだ封も明けてない
文房具を見て思った

奥さんからも
「毎回買ってこなくてもいいのに」と
言われていたけど

僕自身がお土産を間違えて
自分の責務と思っていたことに気がついた

今思えば子供の教育にも
あまり良い行動では
無かったなと思う

有り余る文房具は
当然大切にはしない

その姿を見た僕は
とても悲しい思いをする

ただ家族の喜ぶ顔が
見たかっただけなのに

僕は奥さんが
最初から言ってくれていた
「毎回は買ってこなくていいんだよ」
の意味を

理解することは
出来なかった

あの日からお土産は
パタッと買わないようになったが
家族や奥さんの笑顔は
減ることはなかったし
もっと大切なことに
気がつけたような気がする

理論的でもないし
経験者としての
コメントでもないけど

大体、いつも
奥さんの言うことは・・・

正しい。

文房具

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