僕は18歳の時に
奥さんと知り合った。
学生時代に僕の周りは
今思えば残念なぐらい
錆びついた女子しかおらず
それが当たり前と思っていた。
基本的に黒髪の女子はおらず
所謂「やれた感」の漂う
不良女子ばかりでした。
高校を卒業して
担任の先生の恩恵もあり
特に目標もなかった僕を、とある
専門学校に入れてくれた。
自分で求めてなかったという
ワガママな理由もあり
僕はすぐに学校を辞めようと思っていた。
ただ、高校を卒業して
出会った全国から集った同級生は
なんだか今まで触れ合っていた
同級生とはなんだか違い
ある意味、そのよくわからない
新鮮さに日々を過ごしていた。
そんなある日
同じクラスで友だちになった1人に
「飲み会をしないか?」と言われ
その誘いに参加してみた。
どんな人が来るんだろう…なんて
少しドキドキしながら
友達の家へお酒とつまみを買って行くと
そこには3人の女の子がいた。
聞くと、その3人の1人が
友達の彼女だったらしく
親睦会という名の
コンパが設定されていた。
その時に一瞬で「わぁ…」と
僕の視線を釘付けにしたのが
そう、奥さんである。
変な言い方だけど
奥さんに出会うまでは
「やれた感」女子が
自分の周りでは当たり前の存在で
その時僕の目の前にいた
奥さんは、なんというか
今まで接点が皆無だったような人だった。
出会った季節もあるけど
奥さんは黒髪のポニーテールに
アメコミのキャラ(ケンケン)が
プリントされたTシャツを来ていて
ボーイッシュと言うより
とても健康的な活発女子だった。
今まで見慣れていた
厚化粧をしているわけでもなく
すっぴんで、みんなの話題に
ケタケタとよく笑う子だった。
泥しか飲んだことがない人間が
初めて富士の名水に触れたようで
好きとか、かわいいという感情より先に
僕はとんでもないお宝に
出会ってしまったのかもしれないと
心の中はとても不思議で
でも心地よく高まっていた。
それから今までの生活環境や価値観
何もかも違うけど
一生懸命、奥さんに自分の想いを伝え
それに付き合ってもらい
ようやく彼氏彼女の関係に
もっていくことが出来た。
おそらく僕の人生の運の90%ぐらいは
ここで使ってしまったのだが
本当に良かったなと
当時も今でも同じように思う。
人間とは尊いもので
その時はなんとなく毎日を過ごしているが
時に「あれ?これって」と
気がつく瞬間が恋愛以外でも多くある。
その瞬間に真摯に嘘なくBETすれば
結果がどうであれ
未来の自分に
「な?俺の言ったとおりだろ、良かっただろ」と
胸を張って言えるんじゃないかなと僕は信じている。
一歩踏み出す勇気とは
言い換えれば
未来の自分に
自慢できる今を
信じる気持ちなのかもしれないな。